生き抜く力を育てる自己紹介について
最近、自己紹介という事を塾で再開しました。その際、職員から、小学生クラスが全然やらない、誰もやってくれないという報告が毎回上がっていました。
どうやってやらせたら良いのか分からないと。
ロベに来るような子供達は、学校でも、積極的に手を挙げられない、発表できない、自分の気持ちを表現出来ない、言語化できない子達がとても多いのです。
それで、昨日、私の方でやってみせました。
数年前にもやってきた事で、途中生徒数が増えすぎて、やらない時期がありましたが、その当時から通っている保護者からも、
『人前での自己紹介やらないんですか?自己紹介、是非やってください。あれは良かった。お陰で、学校でも手を挙げて発表出来るようになったのは、あの自己紹介のお陰です』
と言ってくださる保護者からも背中を押された形で1日、コーチ1人。生徒1人という以前とは違った形スタート。
当時も当然出来ない子達は多く居ました。しかし、必ず最後は言えるようになりました。
ではどうやって?
学校では、元気にシャキシャキ言える子達の影に隠れてやらなくて良い環境で育ってきた子達です。
なので、影に隠れられなくする。が答えです。
その子の順番が来た時に、必ず発表する迄待つ。その際は、モジモジする子、いつまでも話せない子、泣き出す子。
すると、必ず助け舟をだしてくる子供達が出てきます。
助け合う事もとても大切な事で、その子も周りの子達のお陰でも段々と出来るようになって来るのです。
昨日もその土台を私、森が用意しました。
そうすると対象の子は上級生ですが泣き始めました。(想定内です。)
そして、他の子に、「どうする?泣いちゃってるね、みんなこの状況はどうしますか?」と聞きました。
するとある子は『はい。スキップしてみたらいいと思います!』
「いいですね〜スキップした後はどうしますか?」
『スキップの後かーそれは考えていなかった、、、』(笑)
すると小さな低学年の男の子が『僕がやります』と言って自己紹介を始めました。(ぱちぱちぱち)
泣いてる子の周りに2人ほど女の子が慰めに行っていました。(これも想定内。)
その後、泣いてる子のお母さんが
「泣いててなんて言ってるかよく分からないのですが何かありましたか?」と、聞いてこられました。
私の方で上記の説明をして、最後に私からお伝えしたのは、
『今の段階では、まだ自分の気持ちを言語化出来ないから、お母さんが聞きにこられましたよね。
こういう人前で発表するという事を積み重ねると、自分の気持ちを人に伝える事も出来るようになります。これは一つの訓練でもあります。今の段階で発表する内容は、名前、学年、好きなことのみですから、お家でも好きな事を聞いて事前に話せるようにさせてあげてみてください。もう少し小さな学年で始めたらよかったのですが、これからできるようになると思います。』
「わかりました!学校でも手を挙げられないんだなぁと参観に行った時思いましたから、宜しくお願いします。」
そして、昨日来てくれた卒業生で高校3年生の子達2人が、進路が決まった!と報告に来てくれました。
1人は入塾した時から言っていた保育士になる夢を、保育の専門学校に免除の学費もあり合格!
そして1人はスポーツ推薦でなんと、早稲田大学に全額学費免除で合格!とっても嬉しくてみんなに自慢したくて?(笑)
その子達にも、皆の前で発表するという場面を作りました。
1人の子は、1回目は恥ずかしくて中々発表出来ないと言っていたので、発表出来る子だけやって貰いました。
すると2回目は、自分も言ってみる!と、人前では話せないという恥ずかしい気持ちを克服し、話してくれたのです!
こうして、子供達は必ずその場所を用意してあげると、いずれはできるようになります。
その場所がこれまで用意されていなかった、用意されていてもやらなくていい状態できてしまったというだけなのです。
環境で、近くにいる大人次第で、いくらでも子供達は自分の殻を破き、出来なかったことがいずれできるようになる。
その通過点では、泣いたり、喚いたり、逃げたりします。
でも、そんな自分を超える力を引き出す事。
「出来ない、やれない、やりたくない」『じゃあ、やらなくて良いよ』ではなくて、やれる環境を作る。
時には、敢えて追い込んでみる。
そうしたら、トラウマになるんじゃないか、恐怖心を煽るだけではないか、いろんな心配の意見が出ました。
でも、出来ると信じて、先にコーチが自己紹介して、手本を見せてやらせてみています。
そして、出来るようになった時には、大いに褒め称える。
そんな困難を敢えて、与えて、出来るようになった時、その場にいた皆がとても感動して、みんなで手を叩き合える時が来るのです。
敢えて、困難を与える。そこから乗り越える力を引き出す。
簡単ではありません。瞬間は嫌われないとなりませんから。
今の子達はそんな場面が少ないからか、とてもメンタルが弱いので、それを心配する職員もいました。
しかし、出来るようになるのです。
周りが応援してあげる事で、出来るようになるのです。
過去にそれは何人も見てきました。信じて待つ。
敢えてそんな場所を提供する我々は、嫌われ役に徹する。
そして、その意味が子供達に伝わった時。出来なかったことが出来るようになった時。
そこに信頼関係が生まれます。
しばらくはその子のためにも、そしてそれをまだ経験していない職員および子供達のためにも、現場に入る時間を増やし、再度この感動を、出来るようになった姿を見届けたいと思います。
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