2023年度 森代表 講演への感想
筑波大学 医学部
Y・Tさん
ご講演ありがとうございました。森さんの考えが周囲の人を巻き込み、そして大きくなって、多くの人の支えになっていることがとても素晴らしいと素直に感じました。自分は、ロベの活動に以前から興味があったので、これから何度かボランティアなどに参加することもあると思いますが、その時はどうぞよろしくお願いします。
K・Mさん
貴重なお話を伺えてとても勉強になりました。困難を抱えた子どもたちの問題について元々興味があったのですが、いち医学生の立場ではなかなか現状を知ることは難しく、この問題に将来どう関わっていきたいのかも漠然としていました。今回ロベの活動について知り、さまざまなお話を伺う機会をいただいて、自分にできることは何か、自分は何をしたいのかといったことが以前よりはっきりと描けるようになったと感じています。お話の中で森さんがロベの活動について、この問題に対して何かしたいと思っている人の「やりたい」という気持ちを引き出す場、とおっしゃっていたことが印象に残っています。今自分が医学生の立場から感じている、子どもたちの問題に何かできないかという気持ちを無駄にしたくないと強く思いました。お忙しい中、ご講演ありがとうございました。
M・Iさん
お時間をいただいてお話しいただき、誠にありがとうございました。ロベさんの活動によって救われている子たちが何人も何人もいることがわかりましたし、支援する側のコミュニティづくりという面も素晴らしいなと思いました。全国にこの活動が広まってほしいと心から思いました。授業などで子どもたちの健康を阻害する要因などを学び、知識は取り入れることができていたのですが、実際にそれをどう解決するかという点においては悩んでおりました。今回、森さんのお話を聞いて、その悩みが解消されたような気がします。今後、私も人を巻き込んでいく側になったら、森さんをリスペクトして活動したいと思いましたし、まずは自分も無料学習塾などに携わってみたいと思いました!
U・Aさん
学習支援のみならず、お金の教育や性の教育など人が社会で人間として生きていくために必要な知識を必要な人の届けるやり方、また、多くの支援者を獲得するそのやり方や雰囲気など多くの事を学びました。僕は一人で背負ってしまい、支援の心が折れてしまったことがありました。細い支援を長く、確実に届けていくためにはチーム・仲間の存在が欠かせないことも学びました。子どもや、困難を抱えた親御さんが、話したいな、頼ってみようかなと思えるような存在になりたいと強く思いました。
K・Sさん
まず、森さんの行動力に驚きました。やったことがないことを1番にやってみせる勇気を持つ人は少ないです。お話を聞きながら、私も森さんのように困っている人のために行動できる大人になりたいと思いました。子供の支援は、まだまだ大きな課題です。できることは少ないけれど、1人の医師として、1人の子供について多角的にみられる視野の広さを持てるよう、これからも沢山のことを学んでいきたいです。
A・Yさん
ロベの活動がどのように広がっていったのか、どのように子どもと接してきたのかを知ることができて良かったです。私の家庭は、母親が保育士で姉が教員なので(つくば市ではないですが)、ロベのことを伝えて、そういった活動をする団体がいることを共有したいと思いました。また、様々な背景を持った子どもたちがいる事を常に念頭に置いてこれからの実習、生活を頑張りたいと思いました。貴重なお時間をいただきありがとうございました。
~学習支援ボランティアさんの声~『出会いの意味 ―つくば学習会に参加して―』
筑波大学大学院卒 現 生協職員
佐々木 めぐみさん
◆なぜ参加をしたのか
つくば市役所職員の友人の紹介で、茨城県のこどもの貧困の現状を知るための講演会に参加したことがきっかけです。それまで私は、国際的な食糧問題に関心があったことから大学で農学を専攻していましたが、恥ずかしながら国内の貧困の問題に目を向けたことはありませんでした。
講演会の中で現代日本のこどもの貧困の現状がいかに深刻であるかをお聞きし、そういうこども達がごく身近な市内にいること、手をのばせば届く範囲で生活をしていることを知り、自分にも何かできることがあるのであれば、何もせずにはいられないという思いになりました。
その講演会で居場所サポートクラブロベさんの活動のご紹介もあり、ちょうど低所得世帯のこども達のために無料塾(つくば学習会)を始められたということでした。そこで、少しでもお手伝いできることがあればと思い、参加させて頂くことになりました。
◆参加をして感じたこと
つくば学習会の時間は、私にとって宝物の時間でした。
人懐っこくて天真爛漫な子達が多く、一緒に勉強したり遊んだりしながら、仲良くなっていけることがとても嬉しかったです。お菓子やおにぎりを好き嫌い言わず喜んで完食する姿や、「塾に行くのが憧れだった」という発言に愛おしさを感じると共に、その背景にある家庭の事情も垣間見える気がして、複雑な思いになりました。
私がお手伝いさせていただいたのはほんの4ヶ月程度だったため、もちろんこども達に何か良い影響を与えたり、学習会の活動に貢献したりできたわけではありません。むしろ私がこども達から元気をもらっていた位でした。「それでは自己満足ではないか」と指摘されるかもしれませんが、それとも少し違うように私は思っています。
茨城県内のこども食堂のスタッフの方のお言葉が印象に残っています。
―こども達が自分の家族以外にも、いろんな大人に出会うことが、とても大切。いろんな性格の人、いろんな職業の人を見ながら成長することで視野を広く持つことができ、豊かな人格形成につながる―。
究極的には、何かをすることではなく、こども達にとっての出会った人の一人になるということが、つくば学習会のボランティアの役割なのかなと感じます。
少しでもボランティアを考えておられる方には、自分には何もできないかもしれない、偽善者になってしまうかもしれないと考えずに、気軽にこども達に会いに来て頂ければと思います。
◆就職との関連
私は現在、ある生活協同組合の関連会社で働かせていただいています。
つくば学習会のように直接こどもと関わることはあまりありませんが、生協の取り組みの中にはこども食堂の支援や、国内外の農産物の生産者が貧困に陥らないようリスクも利益も分かち合う関係性の構築など、広い意味でこどもの貧困の課題解決につながる部分が少なからずあると感じています。
つくばにいる間に、また時間の融通も利く学生のうちに、つくば学習会のこども達と出会えて直接ふれあうことができて、非常に良かったです。
つくば学習会のこども達の健やかな成長を、離れた場所からお祈りしています。
筑波大学 人文・文化学群 人文学類卒
山口 野の子さん
◆なぜ参加したのか
私は子どものころから教育格差に関心がありました。そのきっかけは私の中学生時代にあります。
私が通っていた学校は様々な境遇の生徒達が集まる、いわゆる”荒れた中学”で、経済的な理由から進学を諦めてしまったり、勉強したいのにそのような環境・精神状態でいられなかったりする友達を見てきました。
幼いながらに「どうして?」と考えていたのを覚えています。
私はそんな「勉強したいのにできない」という子どもを減らしたいと思い、教育格差に関する研究とつく学での活動を始めました。
つく学では勉強を教えるだけではなく、勉強以外の部分で子どもたちの暮らす環境をより良いものにしていく取り組みをしています。
子どもたちが健やかに育つための土台作りをしているこの活動に共感を覚えました!
◆参加して感じたこと
この活動に参加して最初に感じたのは「やっぱり子どもたちはかわいいな!」ということでした。
思春期の子や上手く自分の思いを表現できない子など様々な子どもたちがいますが、みんなまっすぐぶつかってきてくれます。一緒にご飯を食べたり、ゲームや体を動かして遊んだり、勉強をしたりする中で、それぞれの個性を伸ばしてくれているように感じ、うれしかったです。
また私自身学ぶことがたくさんありました。
活動中は「どうしたら子どもたちが安心して学べる環境を作れるだろうか。」と考えるのに必死でした。そして必死に活動しているうちに、教育格差は誰のせいでもなく、複雑な要因が絡まりあってできているものだとわかりました。
この活動に参加するまでは、教育格差の原因は、子どもたちの周りの大人や学校にあるのではないかと考えていましたが、周りにいる大人も、友達も、先生も懸命にそれぞれが対峙する環境に対処しているのだと今は思います。
現在、私は通信会社で働いています。複雑化する世の中で教育格差(広く言えば情報格差)を改善するのが私の目標です。問題を誰かのせいにするのではなく、1つ1つ問題解決に向けて愚直に行動していく力は、会社でも役に立っていると感じます。
筑波大学 大学院卒
原 理紗さん
◆なぜ参加したのか
私が「格差」を意識したのは、父の転勤に連れられて香港で暮らした小学生のときでした。
綺麗な高層マンションの眺めの良い広い部屋で住んでいる人と、ゴミの臭いが漂う地域の一角にある狭いアパートに住んでいる人。両者の差は誰の目から見ても明らかだからです。家のアパートの窓から、向かいに住んでいる子どもがいつも一生懸命に勉強しているのを見て、香港の子どもはなんて勉強熱心なのだろうと思っていました。
高校生大学生になるにつれて、香港の子どもは単に勉強熱心であるだけでなく、香港内の上位5校の大学に進学できるかどうかで将来の生活水準が大きく左右することを知り、そのためにも熱心に勉強していたのだと分かりました。
香港は格差がある国だとしたら、日本は格差の少ない国だと思っていました。
学校と家を往復する日々を過ごしていると、貧困を感じることはありません。しかし、現実は異なり、日本の子どもの6人に1人は相対的貧困のなかにあり、不自由なく塾に通ったり進路を決めたりできないことを知りました。
ただその事を知っても、学生である自分に出来ることはほとんどないと思いました。一方、ボランティアによって自己肯定感を高めてもっとポジティブに生きたいとも考えていました。
つくば市の低所得世帯向けの無料塾がボランティアを募集していることを知り連絡を取ってみると、本当に人手が足りないため、行けるときに参加するだけで即戦力になれるよと言ってもらいました。
◆参加して感じたこと
つくば学習会に来る子ども達は、とても元気で明るく、とても“普通”の子ども達でした。普通の子ども達が、相対的貧困のなかにあり、参考書を買えなかったり塾まで来る交通費を払えなかったり、そういう話を聞くと何とも言えない気持ちになりました。日本の格差は、非常に見えにくい格差だったのです。
私が7月から担当した子は、勉強に対する集中力と熱意、自分で考える力を持っている子でした。
能力も目標もあるのに学習環境に恵まれなかった彼女の話を聞いて、出来る限り力になりたいと思い、教えることに一生懸命になりました。担当した当初、彼女は高卒認定試験の問題がほとんど全く解けませんでしたが、毎日猛勉強をして、11月には高卒認定試験に合格し、1月にはセンター試験と大学受験を受けられるレベルに達しました。
つくば学習会は、彼女の勉強のモチベーションの歯車として機能していたのだと思います。彼女だけでなく学習会に来る子ども達全員にとって、自分を見てくれる大人がいることに対する安心感こそが、勉強に集中して取り組める環境となっているのだと思いました。反対に私自身は、ボランティアを始める前までは自分に出来ることは少ないと思っていましたが、始めてみると子ども達の成長を通じて確かな貢献感が得られました。現代の日本社会では、このように親と学校の先生以外が子どもと教え教えられる関係を築く機会がとても少ないと思います。地域社会単位での大人と子どもの関わりを増やしていく取組みによって、子ども全体の教育レベルの底上げ、若者や高齢者の自信回復にも繋がっていくことを感じました。
つくば学習会の今後の課題の1つは、中学生や高校生の進学サポートをより充実させることだと思います。そのためにも、高校・大学受験を経験したボランティアの力は重要です。私の例のようにボランティアを始める動機は何でも構わないのだと思います。学習会にはいろんなタイプの子がいます。自分は何ができるか分からないという方は、足を運んでみて自分の価値観を伝え子ども達の話を聞くだけでも、受け取った側にはなにかプラスに働くはずです。
◆就職との関連
私は農業協同組合のグループ会社に就職し、農林水産業や地域社会に関する調査研究員として働きます。
農業は人間が生きるのに不可欠な産業であるのにも関わらず、日本の農業従事者の平均所得は勤労者の平均所得と比較して150万円も少なく、若者の農業離れが進んでいます。これは日本だけでなく世界共通の問題で、世界の貧困層の大部分が農業従事者です。
つくば市の子どもの貧困の問題も世界の農村地域の貧困の問題も、同様に奥の深い複雑な社会的背景があり、課題解決の道筋は険しくみえます。つくば学習会を卒業しても、これからは調査研究の立場から格差構造と向き合っていきたいです。
日本社会事業大学
杉原 有紗さん
『つくば学習会に参加して』
私はこれまで大学で福祉について専門的に学んでおり、授業などを通して社会様々な現状を知り、つくば学習会のような学びの場の必要性を強く感じていました。その中で自分にもできることがあるのではないか、実際に自分も関わることで新たな課題などが見えてくるのではないかと思い参加することを決めました。
実際に参加してみると、子どもたちはとても元気で、とにかく毎回『楽しい』と感じながら活動していました。もちろん『楽しい』と感じながらも迷う場面もいくつかありました。
子どもたち一人ひとり個性があり、勉強を教えるといっても一人ひとりの事を知り、関係性を築き上げた上でその子に合った関わり方をして行く必要があると思います。関わり方などに迷った時もありましたが、ロベのスタッフの方々や他のコーチの方々のサポートやアドバイスを頂いたりと1人ではなく全員で子どもたちの事を考えて行くことで支援をしていくことができました。
半年間参加して、子どもたちが安心して学べる場であるためには『楽しい』と感じられる場である必要があると感じました。
それは子ども達だけでなく支援する側の私達も同じように感じられなければそのような場は出来ていかないと考えます。私が毎回『楽しい』と感じられたのにはつくば学習会が子ども達にとって『楽しく安心して学べる場』であるからなのだと思います。
このつくば学習会にボランティアとして参加した事で自分も成長でき本当に良い経験になりました。私はこの春から就職しこれからも多くの子ども達と関わって行きますが、つくば学習会での経験や学んだ事を生かして行きたいと思います。ありがとうございました。
大学院二年生 Cさん
『ボランティアに参加して』
◆なぜ参加をしたのか
私は修士1年の5月に、ロベのつくば学習会に参加し始めました。
大学4年間も学内のボランティアサークルを通して、児童養護施設に入所している子どもたちを対象とした学習支援に携わっていました。その4年間の活動のなかで、子どもの貧困問題や家庭の問題に関心を持つようになり、そうした問題に取り組む現場の1つである学習支援のような活動にもっと携わりたいと思いました。そのため類似の活動を修士でも続けるべく、ネットで検索していたところロベを見つけて参加するに至りました。
◆参加をして感じた事
つく学での活動は毎回手探りの連続でした。
大学4年間で経験したのは、1対1での学習支援でした。そのため、1対複数で子どもを見ることが多いつく学では、子どもそれぞれの学習の進度はもちろんのこと、子どもそれぞれの個性や子ども間の関係性などを理解する必要がありました。
とくに、入って数か月はそのような日々だったと思います。
学習会は子どもにとって成長の場ですが、私自身も成長していった気がします。子どもによっては、関係性がうまくいかなかったり、学習が思うように進まなかったりすることも当然あります。そのときに自身がどう子どもと向き合うのかという問題に定まった解はなく、(子どもの意図とは関係なく)常に自分は子どもに「試されている」と思っていました。
また、他のさまざまなコーチにも刺激を受けました。
子どもが多様ならばコーチも多様でした。それぞれのバックグラウンドや活動にかかわる際のスタンスを知ったり、子どもへの接し方を見たりすることは、私自身にとって大変勉強になりました。さらに、そんななかで他のコーチの方々と議論をしながら学習会を作り上げていく実践にかかわれたことは、とても嬉しく思います。
◆自分の将来にどう役立てて行きたいか
「何故参加したのか?」でも触れた通り、私は子どもの問題や家庭の問題に強い関心を持っています。そのため修士を出たあとは、裁判所で家庭裁判所調査官(採用時は調査官補)として働く予定です。
主な仕事は、非行少年の処遇に関する問題(少年事件)や両親の離婚・親権の問題等(家事事件)における審判や調停に必要な調査を行うことです。そのなかで少年に面接をすることも当然あるので、ここでのボランティアの経験は生きると思います。さらに、ここでの経験は単に「子どもに慣れる」こと以上に、子どもや家庭がどのような背景を抱えているのかを考える際にも役に立つと思っています。
高野 誠大さん
『ボランティアに参加して』
◆なぜ参加をしたのか
まず、私が通っている大学院の講義の中で、つくば市において「子どもの学習支援・居場所づくりボランティア登録説明会」が開催されるということを知り参加してみることにしました。そこで様々な話を聞き、貧困世帯の子どもたち向けの無料塾があるということを知りました。
元々私は、有料塾で講師のアルバイトをしており、そこで母子家庭の中学生の女の子を担当していました。その子は高校に入学したと同時に学校に馴染むことができず不登校気味になってしまいました。それでも、塾には行きたいと言って来てくれて色々な話を打ち明けてくれました。本人にとって塾が居場所だと実感してくれていたのだと思います。しかし、その後、母子家庭ということもあって経済的に塾を続けていくことが難しくなり、本人は通塾を希望していましたが、やむなく退塾してしまいました。
こうした経験を経て、私は貧困世帯の子どもに対しても、なんとか経済的負担があまりかからない形で、学校以外にも子どもたちの居場所をつくってあげることが出来ないのかと思っていました。そうした中で、無料塾というものがあることを知って大変興味深く感じ、実際に参加してみたいと思いました。
◆なぜ参加をしたのか
子どもたちは、複雑な悩みを抱えて塾に通ってきており、大人や友だち等、人とのつながりを強く求めているように感じました。実際に、当初は大人しく、あまり心を開けていない様子であった子が、担当のコーチと打ち解けられたことをきっかけに、他のコーチや友だちとも関係性を深めていき、表情も非常に明るくなっていきました。そして、そうした頃から学習への意欲も高まり、熱心に学習に取り組むようになるという姿が見られました。こうしたことからも改めて、学校以外にも子どもたちの居場所をつくっていく取り組みは大変重要なものであると実感しました。
◆自分の将来にどう役立てて行きたいか
私は、今年の4月から中学校の教員として働きはじめます。学校現場ではよく、子どもの貧困等の問題によって生じる子どもたちの苦悩や困難が見えづらいと言われています。しかし、私はロべで活動してきたからこそ分かることや出来ることがあると確信しています。これから担任としてクラスを持つようになると、30~40人ほどの子どもたちを相手にしていかなければならないため非常に大変であると思いますが、ロべでの経験を活かし、一人ひとりの子どもたちとしっかりと向き合い、子どもたちの立場に立って考えられる教員になりたいと思います。
宮下 凌さん
『ボランティア体験記』
大学2年次に何か社会貢献をしたいと考え、居場所サポートROBEが近所で活動をしていることを知り参加しました。
当初は、学習サポートということで学習面を見ることが出来れば良いのかと考えていましたが、活動に参加していく内に学習という面だけでなく居場所という面についてのサポートが必要なのだということに気づきました。
勉強を教える前段階として、子ども達が勉強をしようと思ってくれる雰囲気作りなど、心に目を向けたサポートが必要なのかもしれないと考えました。しかし、これを実際に実行しようとすると一筋縄ではいかず、どうすれば良いのか悩みました。それまで僕は自分で何とかしなければというように考えていて、問題の壁を越えられずにいました。そんな中、ROBEスタッフの方々やボランティアの方々が声をかけてくれ、アドバイスなどを聞いていく内に、問題解決の糸口を見つけることが出来ました。
それまで私は学校という限られた空間で社会の問題をどう解決するかなど、あくまで机上の問題解決をしていました。しかし、実際に活動に参加していく中で、現場で起きている問題にどのように向き合うのか、またどのようにして解決の糸口を見つけるのかという、とても貴重な生きた経験をさせてもらえたと感じています。
大変なことはありましたが、子ども達の成長を目の前で感じて一緒に喜んだり、その日あったことを話して笑い合ったり、とてもやりがいを感じられる時間でした。子ども達の居場所を作る為の活動ですが、僕は活動に参加しているボランティアやスタッフの方々の居場所という面もこの活動にはあるのではないかなと感じました。
今後私は大学生から警察官となります。このROBEでの経験を基に、1人でも多くの困っている方々を助けていきたいと思います。
~学童保育ボランティアさんの声~
ボランティアAさん (60代 男性)
◆なぜ参加をしたのか
一昨年たまたま募集の案内を見て参加させていただきました。ボランティアは初めての経験です。
私の場合は仕事の合間にお手伝いさせていただく、という程度の活動しかできません。活動に参加して知ったのは現代日本の子供の貧困が深刻であること、またひと昔前と違う子供たちを取り巻く複雑な社会環境は私の知らない世界でもありました。
わずかな時間しか参加できず心苦しく思っています。それだけに居場所サポートクラブロべさんの活動と、参加しているスタッフの皆様には頭が下がる思いでいっぱいです。
◆参加して感じたこと
子供たちと一緒に過ごす時間は私にとって、いつの間にか大切なものになっています。最近感じることは、子供たちと接することと子供たちの個性が私の老いていく脳と体に刺激を与えてくれているように思えてなりません。
また、活動に参加して逆に私が教わることも多いような気がしています。物を大切にすること、思いやりの気持ちを持つこと、食べ物をありがたくいただき粗末にしない、などなど・・・。これらは誰もが教わってきたこと、当たり前のことと思っていますがそれらを忘れている人(大人、私も含め)があまりにも多いようです。さらに子を持つ親としても視点を変えて見ることが出来るので、今更ながら自分の子育ては(もう終わってしまいましたが)あれで良かったのだろうか?などと改めて思うこともあります。
これから先、長い人生を歩む子供たち、成長していくほんのひと時ですが大切に見守りたいと考えています。